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統合報告書2021

統合報告書2021

特集2: 新規事業の開発


パーパスの実現に向け
新規事業の創出を目指す


取締役 常務執行役員
経営企画本部副本部長兼
事業開発部長
中川 景樹

経歴:
2002年、金融機関から中途入社。グループ会社のラネット、アロージャパンの代表取締役社長を現任。2020年に新設されたサービス開発室、事業開発室の室長、2021年より事業開発室の機能強化を目的に新設された事業開発部の部長を務めている。

購買代理人として新規事業の創出を目指す

事業開発部の役割についてお聞かせください

私たち事業開発部は、循環型社会(サーキュラーエコノミー)への取組み強化、購買代理人としての商品力・販売力・マーケティング力を掲げた当社のマテリアリティに対して、具体的な解決手段としての新規事業を開発していくことがミッションになります。そしてパーパスのとおり、購買代理人としてくらしを応援していくというコンセプトに沿って、川上、川下への拡充(スマイルカーブ)で、事業領域の垂直・水平の拡大に取組み、購買代理人として新規事業の創出を目指していきます。私たちが扱う商品は生活必需品が中心であり、それ自体はすぐに無くなるものではありませんが、お客様の多様化するニーズにお応えするには、店舗の運営形態、新たな販売手法、新たなビジネスモデルの構築等を実施していかなければ、購買代理人としての存在価値をお客様から評価していただけないと考えています。

様々なスキームを用いてイノベーションを起こす

どのようなスキームで新しいビジネスを作っていくのでしょうか

当社は、創業時の商品はカメラだけでしたが、布団、パソコン、お酒等、イノベーションを起こし進化してきた会社です。これまでも自社での新規事業開発やM&A、ジョイントベンチャーの取組み等を実施してきました。2021年7月にはビックイノベーションキャピタルと命名したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を設立したことで、イノベーションを起こすためのスキームが確立できたと考えています。目まぐるしく変わる商品、多様化するお客様ニーズに応えていくには、自社リソースだけでは限界があると思います。スタートアップ・外部企業が持つ先進的な技術・商品・事業アイデア等と当社の資本・顧客基盤・人材・営業力を融合し、スピード感を持って新たな事業や商品の開発を実施していきたいと考えています。今回立ち上げたCVCは一義的なリターンを求めるのではなく、新しい事業創造、協業するパートナーを見つけるために活用していきたいと思っています。まだ立ち上げから数ヵ月しか経っていませんが、すでに150社を超える企業と様々な協議をさせていただいています。

ビックカメラグループらしい形でスタート

具体的な事例を教えてください

2021年 10月に、 CVCの第 1号案件となるカメラ機材のサブスクリプションサービス「 GooPass」を展開するカメラブ株式会社と資本業務提携契約を締結しました。カメラブが持つノウハウと当社が持つ店舗・ EC販売網、仕入の力等をうまく組み合わせることができたと思っています。カメラの販売は祖業であり得意領域ではありますが、モノ所有からレンタルへの需要が拡大している中、お客様への新たなサービスを提供できたのは、購買代理人としての販売力の強化、川下への拡充につながった、ビックカメラグループらしい事例となりました。


自社で開発した事例としては、子会社となるビックライフソリューションを設立し、宅配水ビジネスを開始しました。これまでもウォーターサーバーを販売してきましたが、今回は当社がメーカーとなり、富士吉田市(山梨県)と協定を締結し、美味しく、安全な富士山の水を直接お客様にお届けします。2022年のサービス提供開始に向け、購買代理人として、水質にこだわった水を製造する工場建設や、オリジナルウォーターサーバーの提供を検討しています。この事例は、モノを作るという川上の領域とリカーリングサービスという川下の領域への拡大を図ることができました。

また、M&Aの事例として、子会社であるソフマップがスマートフォンを中心としたデジタル家電の買取・下取、リユース事業を展開する株式会社じゃんぱらの全株式を取得しました。グループ企業との連携、サーキュラーエコノミーの取組み強化とともに、川下への領域強化につながる事例となりました。

ポストチャレンジ制度を活用

どのような体制で取組んでいるのでしょうか

事業開発部のメンバーは、20代から40代、女性(4名)、外国籍(1名)の非常に多様性のある人員構成(計18名)になっています。メンバーの大部分が社内公募制度「ポストチャレンジ制度」を活用して、自が当部署で仕事がしたいと手を上げてくれたメンバーで、同じ部署から来た方はほとんどおらず、グループ会社にいた方や法務、財務、人事、また過去に異業種から転職して来た方等が在籍しています。当部署の目的が新規事業を創出することであるため、様々な考え、経験を持ったメンバーで組織運営してくいことが重要です。このダイバーシティを活かし、個人の能力をうまく引き出して付加価値を生み出す集団にしていきたいと思っています。

「人の力」で新規事業を創出

最後に抱負をお願いします

パーパスの実現に向けて、メンバーの「人の力」で新規事業を創出していきたいと思っています。また、従業員のリスキリングを推進することも、私の大きなミッションのひとつです。メンバーには当部署で、新たな知識や様々な経験を積んでいただき、価値創造力の再構築を図ってもらいたいと考えています。そして創出した新規事業が、そのまま事業会社になっていく、メンバーが経営していく、そのような流れも作っていきたいと考えています。ビックカメラの今後の新規事業にご期待ください。




「人の力」で新規事業を創出

経営戦略部門として、パーパスである「お客様の購買代理人としてくらしにお役に立つくらし応援企業であること」の実現のため、垂直と水平の事業変革を進め、「循環型社会(サーキュラーエコノミー)への取組み強化」のエコシステムを構築していくことで、事業を通じて社会課題を解決していきます。

私たちの価値の源泉は人材であるとの考えのもと、従業員のウェルビーイングを推進します。また、小売業におけるデジタル技術の活用(DX:デジタルトランスフォーメーション)の重要性がますます高まってきている中、経営戦略にデジタル戦略の視点を加えるため、2022年1月より経営戦略部門 経営企画本部直下に「デジタル戦略部」を新設しました。パーパス実現のため、これまで以上に組織的にデジタル戦略を推し進めます。

コロナ禍で私たちの課題は明確になり、マテリアリティとしてまとめました。縮こまることなく、この危機を変革のスタート地点として、積極的に推進していきます。

取締役 専務執行役員
経営戦略部門管掌
経営企画本部長

田村 英二

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