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CSR

社長メッセージ

お客様の購買代理人として
くらし応援企業への
経営改革を推進します。

人口動態の変化、コロナ禍によるインバウンド
需要の消滅や消費行動の変化等、われわれ小売業
は、根本的なゲームチェンジに直面しています。
当社は、自らのパーパス(存在意義)を制定し、
お客様の購買代理人を目指す経営改革を推進す
ることで、新たな成長に挑戦します。

代表取締役社長
木村 一義

2021年8月期は厳しい環境下で増益を達成

2021年8月期の日本経済は、2年目に入った新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が継続する中で、このところ持ち直しの動きもありましたが、そのテンポが弱まっており、個人消費が弱い動きとなっています。ビックカメラでは、都心の昼間人口の減少とインバウンド需要の激減が重なり、実店舗の販売は低迷しました。EC・法人事業は、販売を大きく伸ばしたものの実店舗の低迷を補うには至りませんでした。

こうしたトップラインの伸長が期待しにくい環境下で、私が、就任当初に取組んだ経営改革は、8本部制を「経営戦略」「事業推進」「経営管理」の3部門(現在「内部統制も含めた」4部門)に集約し、現場重視・意思決定の迅速化をねらいとし、部・室の数も大幅に削減しました。当社は、環境に左右されない生産性の向上を目指し、「凡事徹底」のもと粗利の向上と経費コストの削減、更に投資の厳選に取組みました。独自性のあるPB商品の開発や目利きの効いた商材の調達や新規サービス・新規事業の開拓等による「商品力の強化」、接客力と商品知識を基盤にした「人の力」と、お客様目線の売場作りといった「場の力」に集約される「販売力の強化」に取組むことで、粗利率は改善し、コスト削減への取組みの結果、損益分岐点を引き下げることができ、収支体質は改善に向かっています。

2021年8月期もコロナ対策は、お客様と従業員の安全確保を最優先に考え、マスク着用、丁寧な手洗い・消毒、従業員の出退勤時の検温、店内消毒、レジ・カウンター等への飛沫感染防止シート設置、ソーシャルディスタンスの確保等の対策を実施しています。営業時間の短縮、および一部店舗(Air BicCameraの一部)では臨時休業を継続しています。また、大きなトピックスとしては2021年6月から8月にかけ、首都圏・関西圏に勤務する当社グループの従業員、その家族および取引先の希望者、約17,500名を対象に新型コロナウイルスワクチンの職域接種を、ほかの日本企業に先駆けて実施しました。職域接種では、当社グループの従業員が、自ら会場スタッフとなって関東・関西2会場を運営しました。当社グループ従業員が、店舗運営で培ったオペレーションのノウハウを活かす等対応能力を改めて実感すると同時に、一体感が強く醸成されるという大きな副産物を得ることができました。

パーパスを制定し経営の軸とする

当社グループは、コロナ禍における厳しい事業環境の中、2021年8月期の業績は増益となりましたが、これまでと同じ経営手法では増収の道筋は見えてきません。インバウンド需要が拡大する中、積極的な先行投資を行ってきましたが、その追い風がなくなった今、収益構造の変革が求められています。

また、かつてはメーカーが良質で安価なモノを作り、それをお客様に推奨するのがわれわれ小売店の役目でしたが、すでにあらゆるモノが溢れる時代には、お客様のウォンツでないモノは、良いモノでも安いモノでも売れなくなり、すべての面でゲームチェンジが起きています。

私は、VUCA(ヴーカ、「Volatility」「Uncertainty」「Complexity」「Ambiguity」の頭文字をつなげた言葉:不透明で混とんとしていて、先がなかなか読めない)の時代で持続的に成長するためには、自社のパーパスを根付かせることが不可欠と考えました。当社グループの企業理念、「専門性と先進性で、より豊かな生活を提案する進化し続ける“こだわり”の専門店の集合体」は創業来不動のものですが、2021年4月に、経営の軸として「お客様の購買代理人としてくらしにお役に立つくらし応援企業であること」をパーパスとして制定しました。われわれは小売業ですから、本来的にはお客様の信頼なしに事業は成り立ちません。メーカーの販売代理人では、早晩、存在意義を失うでしょう。お客様のウォンツは、所有の価値ではなく利用や体験の価値にシフトしています。われわれがなすべきは、お客様の購買代理人として、お客様の目線に立って、お客様の真に有益なものを探し出し、作り出し、ご案内することです。また同年4月に新設したサステナビリティ推進室(9月に部に昇格)は主務のメンバーと各部の兼務メンバーで構成する全社横断的な組織として、サステナビリティ経営の実現に向け、事業を通じて社会へ貢献することで更なる企業価値の向上を目指しています。

3つのマテリアリティでパーパスを実現

2021年7月には、パーパス実現のための経営戦略の柱となる、以下の3つのマテリアリティ(重要経営課題)を特定しました。

  • 循環型社会(サーキュラーエコノミー)への取組み強化
  • お客様エンゲージメントの向上
  • 従業員エンゲージメントの向上

「循環型社会(サーキュラーエコノミー)への取組み強化」は、当社においては、「仕入れ・PB開発、販売、配送・工事、修理、買取、リユース、回収」の循環を事業としてグループ企業を通じて実現することです。省エネ家電等のオリジナルPB商品の開発を強化し、子会社であるソフマップやフューチャー・エコロジーを通じた修理やリサイクルまで広げ、単なる小売ビジネスを脱却して、循環サイクル全体の中にサービスの幅を広げていくことです。2021年12月に、スマートフォンを中心としたデジタル家電の買取・下取、リユース事業を展開する株式会社じゃんぱらの全株式を取得しました。同社は当社グループ未出店エリアを含む全国50店舗を展開しているため、当社グループのデジタル家電リユース市場におけるシェア拡大だけでなく、店舗網の地域補完性や一般消費者からの買取による仕入ルートの拡充においても高いシナジーが期待されます。


「お客様エンゲージメントの向上」は、お客様のくらしを応援しお役に立つことでお客様からの共感をいただく取組みです。ECを含め、お客様とのエンゲージメントを高め、われわれの商品に対する目利き力、更にはお客様ウォンツを踏まえた当社開発製品の提案、ペインポイント(お困り事)の解消やマーケティング力の強化を通じて、ロイヤルカスタマー(当社ファン)の拡充を推進します。


「従業員エンゲージメントの向上」は、当社の目指す方向・取組みに対する従業員の共感です。パーパスを実現する最も重要な経営リソースは従業員のモチベーションと価値創造力です。従業員のウェルビーイングやダイバーシティの取組みを強化し、リスキリング(価値創造力の再構築)を推進します。教育・研修だけでなく、新しい仕事にチャレンジしてもらうことで、従業員の能力を向上させます。

CSR

人財を重視し、成長を目指す経営戦略

2022年 8月期は、当社グループのパーパスの実現に向け、 3つのマテリアリティの本格的な実行ステージに入ります。経営戦略の策定にあたり、従来型の経営企画部発の上意下達ではなく、執行役員を核として店舗や本部に在籍する女性や中堅・若手メンバーで構成するワーキンググループで議論を重ね、策定しました。それぞれの現場で現実の問題と対峙するメンバーが、自ら構築した経営戦略となったため、従業員の強いコミットメントを得られ、実効性が高まったと感じています。


2022年8月期は、以下の3つの戦略を推進します。


1つめは、「従業員のウェルビーイング推進」です。われわれ小売の最大の経営リソースは人であり、そのための従業員のモチベーションの源泉は、“働きたい場所でやりたい仕事をする”ことです。従業員が自主性を最大に発揮するには、会社は仕事以外のストレスを極力排除し、様々なサポートをする必要があります。転勤や異動を会社が強制するのは最小限にし、自己申告制度や仕事・ポストを社内公募するポストチャレンジ制度等、多くの従業員が自分の希望する職種やポストで活躍できる環境を提供しています。

また、女性、シニア、外国籍従業員等が活躍する場としてダイバーシティをより一層推進してまいります。2021年2月に新設したB-Lifeデザイン室は、女性従業員を購買代理人として育成し、女性ならではの感性を売場作りに反映しパーパスの実現につなげることで、女性が活躍できる場を整え、女性店長の数が増えていくことを目指します。2021年の株主総会では、女性取締役が社内人材から誕生しました。当社の女性の取締役は、全役員(14名)のうち3名となっています。当社グループの女性従業員にとって、高いモチベーションにつながるものと期待しています。


2つめは、「生産性向上戦略」です。「粗利改善/営業利益の向上」「経費コントロール/損益分岐点の引き下げ」「厳選された戦略投資」「ガバナンス強化」の4点から生産性の向上を目指します。パーパスに掲げる購買代理人の目線でお客様のウォンツに合致した商品調達を実現する商品力に加え、場の力・人の力による販売力の強化を通じて粗利改善を目指します。また、事業収益の可視化や業務の棚卸しなどによって、経費コントロールと損益分岐点の引き下げを図っていきます。更に、在庫管理やラストワンマイル(配送・設置工事)の提供範囲拡大等の必要なシステム投資については、ROICをはじめ投資対効果をしっかり検証し、厳選して戦略投資を行う方針としています。


3つめは、「成長戦略」です。成長戦略の軸は垂直の「既存事業の進化と深掘り」、そして、水平の「新規事業の展開」の2軸で強力に推し進めていきます。

既存事業の進化と深掘りとしては、店舗、EC、法人事業のチャネル別販売力を強化し、また地方自治体や異業種との連携でチャネルの拡大にも取組みます。具体的には、店舗と法人は面での強化を目指して、店舗に法人担当者を配置し、ECでは、従業員の意見も吸い上げお客様にとってより使いやすいサイト作りに取組んでいます。

新規事業の展開については、川上、川下への拡充(スマイルカーブ)で事業領域拡大に取組みます。まずはPB商品の開発では機能やデザインに一層こだわり、消費者ニーズをとらえた商品開発を推進し、SPA=製造小売化を目指します。次に宅配水ビジネスへの参入によってリカーリング事業を強化します。更に買取、下取、引取を強化して買替需要の創出を行い、修理やサポートによる顧客接点の拡大やデータ分析によるロイヤルカスタマー(当社ファン)の拡充を行うことで、グループ一体でのサーキュラーエコノミーサイクルを実現します。

当社グループは、2021年7月に総額100億円のコーポレートベンチャーキャピタルファンドを設立し、ビックイノベーションキャピタルと命名しました。このファンドは、スタートアップを含む外部企業の持つ技術やノウハウ、事業モデル、顧客基盤等と、当社グループの新たな事業やPB商材等とのシナジーを追求すべく設立したものです(オープンイノベーション)。第1号の出資をしたカメラブ株式会社は、カメラ機材のサブスクリプションサービスを行うシェアリングエコノミーの企業です。ビックイノベーションキャピタルはこうした企業とのコラボレーションを通じて、サーキュラーエコノミーサイクルを実現するための新規事業を創出し、更に従業員のリスキリングを加速してまいります。

CSR

企業トップの責任と覚悟

コーポレート・ガバナンスに関して様々な議論がなされていますが、私は、企業価値に直結するガバナンスの肝は、経営トップの責任と覚悟だと考えています。「経営理念」「パーパス」に沿って絶対にブレない言動で、率先して機敏に革新的にチャレンジし続ける責任があります。最重要経営リソースである従業員のエンゲージメント向上もトップの責任です。先見力・決断力は当然、成果については全責任を持つ覚悟で臨んでいます。私は、会社に対する最もフェアな評価は、資本市場での評価だと考えています。市場が評価する企業価値は企業トップの通信簿です。サステナブルな企業価値向上へ責任と覚悟を持って取組んでまいります。



2022年2月

株式会社ビックカメラ
代表取締役社長
CSR

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